出席率

学校における日本人の数が多いことはいいことでしょうか、それとも悪いことでしょうか?

英語をとにかく習得することを、大前提で申しますと、周囲に日本人は自分以外に一人も いないことが、一番いいと思います。 周りに日本人がいれば、やはり日本語を話してしまいます。

大したことのないレベルでの会話くらいいいだろう、ということで、日本語で会話してしまうことでしょう。 しかし、その「大したことのないレベルの会話」の積み重ねが、意外と大事だったりします。 「ちょっと、トイレ」という一言や、「昨日はなにしてたの?」とか、 そういう呼びかけとか、会話を、周りに日本人がいない状況だと英語でやらざるを得ません。

そして、こうした何気ない英語の会話の積み重ねが、意外と「英語を口に馴染ませる」ことにもつながります。 逆に申しますと、英語を使うのは授業だけ、あとは日本人とだけしか関わらないので、 すべて日本語で生活しています、となると、少々もったいないことをしているように思われます。

ただし、まったくと言っていいほど英語の話せない方にとっては、逆に日本語がまったく使えない状況 というのは、あまりにも不安や緊張や不便さやなにやらが、合わさって、精神的に参ってしまう場合も ありますので、ほぼ話せない方には、そうとは限らず、周りに日本人がいた方がまだ、いい場合もあります。

しかしこういう場合でも、韓国人の学生も決して英語が堪能な人ばかりというわけでもなく、かなり喋れない人も 中にはいますので、お互い単語で話し合ったりといったことができ、その人がいい人であったら、 格好の英語学習におけるパートナーとなってくれるでしょう。

相手が日本人だと、やはり日本語に頼ってしまうので、 効果は薄いと思います。 では、実際にセブの学校では、日本人と韓国人の比率はどうなっているのでしょうか? 現在、日本人の間においても、フィリピン留学ブームに火がついた結果、「ちゃんとした語学学校」は、 韓国系の学校でも、日本人と韓国人の学生数の比率が、半分半分となっております。

さらに申しますと、日本人の数が韓国人学生の数を越えている、韓国系学校もいくつかあります。 先ほど、理想は日本人が一人であることと、と申しましたが、ではこの状況をどう考えればいいでしょうか? 面白いことに、たとえば数人の日本人しかいない学校、30人くらい以上の日本人がいる学校、と比較してみると、 数人しか日本人がいない学校よりも、30人以上日本人がいる学校の方が、逆に日本語を使わないで済ませられる ことがままあります。

これは、どういうことかと申しますと、数人しか日本人がいないと、懐かしさか何かから、 普段あまり社交的でないような人でも、お互いが日本人である、というだけで妙に親近感を持ってしまい、 付き合わざるを得ない気分になってしまう場合があります。自然と、日本人のコミュニティができるのです。 なんと言いますか、5、6人だと、紐帯が強くなりすぎて、なんやかやの誘いもことわれなくなるのです。

自然、英語を使うことは授業だけに限りなくなっていき、普段は日本語で生活することになります。 しかしこれが、面白いことに、日本人の数が30人くらいになってくると、 お互いを「無視」できるようになってしまうのです。 その結果、英語だけで生活したいと思う人は、楽にそういう生活ができていくことでしょう。

このことから、学校の日本人のいる、いないに関しては、日本人の「割合」というよりも、 日本人の「人数」の方がより重要であると考えられます。 せっかく海外に留学に来ているわけなので、できるだけ日本語は使わずに、英語で生活をしたいものです。 そのほうが、授業だけの英語でなく、生活で実践的に使っていけることで、学習効果は、 日本で勉強するよりも、何倍も効果があると考えられます。

できるだけ、授業の時間以外も、フィリピン人の先生やスタッフとコミュニケーションを取って行くことを こころがけるといいでしょう。 その意味で、日本人が一人もいなくて、フィリピン人の先生たちとコミュニケーションがいつでも取りやすい学校というのは、 英語習得の観点からは、非常に良い環境にあると言えます。

次善の策は、日本人のコミュニティができてしまっているところよりは、ある程度日本人の数がいることで、 逆にお互い「無視」できるような環境の学校を選ぶことです。