それは韓国から初まった

日本人の間で留学が今ほどフィリピン留学が一般的になったのは’85年プラザ合意後の円高の恩恵を受けてからで、それ以後お金持ちしか語学留学できない環境から一変、5倍以上もの人が海外留学するようになった。

その当時私なんかもそうだったど急な円高を受けて先進国であるアメリカ、オーストラリアに留学するという事が、それまでの半額以下のバーゲンセールに見えたし、行かないと損じゃないかって思った覚えもある。

一方フィリピンでは人民革命前で厳戒令がしかれていたマルコス政権下では一般人がわざわざ英語を学びに行くという発想はまず出てなかったし、後にマルコス政権が倒れてからも急激な円高で先進国での語学留学が急に安くなったのだから、もっと格安でフィリピン留学って発想は一般には出なかった。

それと当時に円高目当てでやって来たジャパゆきさんが話す日本語が「シャッチョさん」など片言で彼女らが英語がうまいなんて事も思いもしなかったし、その彼女らの斡旋役のそのスジの方々がフィリピンでトラブルを起こしてニュースになったり、前出の革命などの影響もありフィリピンが治安が悪いというイメージが先行したので英語留学先として脚光を浴びる事はなかったんだと思う。

さてお隣の韓国では。

ついこの前までサムスン、現代などの有名企業に入るためには例え英語を使わない事務職であってもTOEIC900点オーバーでないと履歴書も出せないお国柄(最近は話す力に焦点を合わせてTOEICの点数自体は700点代に緩和されたらしい)。

元々英語教育が盛んな所で、その当時から先進国にも韓国人留学生がいっぱいいました。 しかし’97のアジア通貨危機によってIMFの管理下に入り、韓国は経済支援を受ける事になる。韓国ウォンが下がっても英語を学ばなければならないのは変わらないので、近くて物価も安く英語のうまいセブ島とフィリピン留学にスポットが当るのは必然だったんだろうと思います。

韓国市場では当初マニラ近郊で小規模な英語学校で英語を学ぶという事が始まったらしいが、私もよく知る語学学校の校長さん達が、より良い環境を目指して、’01年にセブ島に語学学校を作った所、キレイな海と物価の安さなど環境の良さ、マンツーマンを主体とする授業で先進国よりも早く英語が伸びると言うことが口コミで広がり、すぐに大爆発のブームを呼び、うなぎ登りで学生が溢れるようになったという事らしいです。

今ではそのセブ島を基軸として、フィリピンの様々な都市で、様々なタイプの英語学校ができる事となった。 日本では考えられないことだけど、現在韓国ではカナダ留学とフィリピン留学は語学留学全体のシェアで同率の約20%を保持しているようです。

余談ですが韓国でのブームの背景には、元々日本に比べてそれ程イメージの悪くなかったフィリピンにフィリピン観光省が英語を語学学校で学ぶという事とセブ、ボラカイを初めとするリゾートの盛り上げキャンペーンを行い、メディアなどでも取り上げられた事も大きかったらしいです。

IMFの管理下から立ち直ってウォン高になった行った勢いも手伝って、留学生も観光目的の人もアレよアレよと増えて行き、今ではフィリピンに来る外国人観光客のトップは日本人を追い抜き韓国人です。韓国ではフィリピンは新婚旅行のメッカらしく各リゾートには韓国人カップルが多い所からもそれは伺えます。