フィリピンは本当に世界第3位の英語大国なの?

英語を話す国でフィリピンは世界第3位だというキャッチフレーズをみかけることがあります。
でもこれは、ハッキリ言って「都市伝説」です。
「英語を話す国」という根拠がよくわからない基準で誰かがいい始めたことです。

では、英語が「公用語」で人口の多い国はどこなのでしょうか?

1位はパキスタンです。

「え? アメリカじゃないの」って思いますよね。実はアメリカは「公用語」自体を制定していないので、このランキングにはカウントされないんです。
そして2位は?

ナイジェリアです。

「ええー? イギリスでもカナダでもオーストラリアでもないの?」
そうです。そして3位はなんと、

フィリピン

です。都市伝説だといいましたが、英語が公用語の国では、フィリピンは世界第3位でした。
…さて、フィリピンが英語公用語の国で世界3位ということが、果たして語学留学するみなさんにとって、ほんとうに意義のあることなのか? そこが気になります。

フィリピン人の英語の実力は?

正直、「パキスタン・ナイジェリアに次いで世界第3位!」と言われてもピンとこないですよね。
ここからは、私がフィリピン・セブ島に在住して実感していることをありのままお伝えしますね。
フィリピン人は、語学に優れた能力を持った人々です。

フィリピンの建国の父、ホセ・リサールは10数カ国語を話したそうです。
彼ほどとはいいませんが、フィリピン人は言葉を覚えるのがとにかく早いです。
タクシーに乗っても、ドライバーに日本語の単語やフレーズをいうと、一度聞いただけで覚えてしまいます。

人の名前を覚えるのも早いです。日本人的感覚だと、外国人の名前を聞いても一度聞いただけだとすぐ忘れてしまいそうですが、彼らは忘れません。近所のレストランのガードマンも一度名乗ったら、ずっと名前で呼びかけてくれます。
そして、覚えるのが早いだけでなく、言語を習得するセンスがすぐれているのだと思います。

なぜ、フィリピン人は語学のセンスがいいのか?

その秘密は、フィリピンの言語事情を考えるとわかってきます。
まずセブ島やフィリピンでは幼稚園から大学まで、実は英語で授業が行われています。 公用語なので当たり前なのですが、そこまで徹底しているのです。
「ちょっと待って、フィリピンってフィリピン語を話すんじゃないの?」
そうなんです。フィリピンは、フィリピン語も公用語なのです。フィリピン語というのは、首都マニラ周辺で使われる地元の言葉(タガログ語)をもとに制定された言葉です。なんでそんなややこしいの? とおもいますが、実はそこがフィリピンの言語事情の面白いところなのです。

フィリピンは、7000以上の島からなります。そして、その島一つ一つに言葉があるのです。といっても7000個もあるわけではないですが、120言語以上あると言われています。

日本の感覚ではちょっと想像が難しいですね。たとえば、私はマニラに行った時にセブアノ語で人々に話しかけてみました(セブアノ語というのは、セブの人々の話す言葉です)。しかし、セブアノ語はマニラのフィリピン人には通じなかったのです。

そういうお国柄なため、どうしてもみんなが理解できる公用語が必要になります。それが、フィリピン語と英語なのです。

バイリンガル<トライリンガル<マルチリンガル

テレビをつけると、英語の番組がたくさんあります。
そして、フィリピン語の放送もやっています。さらにセブですとセブアノ語のプログラムもあります。

つまりフィリピン人は少なくとも3ヶ国語を操る人々なのです。

彼らは、生まれた時から日常的に他の言語を習得するということを自然と行なってきています。
そして言語習得は1つ目より2つ目、2つ目より3つ目のほうが覚えやすくなるといいます。

そのような言語事情があって、フィリピン人の言語習得センスは磨かれていったのではないかと思います。

英語大国、フィリピン!

そんな、語学の天才たちの国では、アメリカ映画も字幕なしで放映されています。街のカンバンはほぼ、英語で書かれています。英語さえ話せれば、なんら支障なく生活できる国です。

フィリピンでは、アメリカやカナダ、オーストラリアから来た人々が、フィリピン人と結婚するケースが多くあります。英語ネイティブの人々にとっても、結婚して生活して行くのにまったく困らない国がフィリピンなのです。

フィリピンは、英語公用語人口、世界第3位というだけあって、英語が非常に通じる国なのです。

マクドナルドで英語、食堂ではフィリピン語?

さて、フィリピン語と英語はどういう使い分けがされていると思われますか?

簡単にいうと、フォーマルな場と親密な場の違いです。より公共性の高い場所では、英語が使われます。以前見た、政治家のスピーチでは、最初に英語だけでスピーチをして、その後フィリピン語でも話していました。

先日、おしゃれなカフェに入ってみたら若者たちが英語で会話していました。ざっくばらんな会話をしているようだったのですが、英語です。ちょっとおしゃれな場所だと、自然と英語で会話しちゃうようです。なんかカッコいいですね。

ちなみに、フィリピン語とセブアノ語などの各島々の言葉の違いはどうでしょう。
「そんただこといって、どぎゃんするかね」が島の言葉、「そんなこと言って、どうするの」がフィリピン語といったところでしょうか。ただし、島の言葉はお互い想像もできないくらいに通じないときもあるそうです。